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2007–06–14 (Thu) 01:00
寝ているときに見た夢の記録。
話に筋がないのは、夢だからです。
時計の針は午前零時を回ったところだ。
豆球の淡いオレンジの光と、蝋燭の小刻みに揺れる炎が、薄暗い仏間を照らしている。
隣の部屋では祖父が頭をかかえて座っている。その横では母と妹が、時計を気にしながら何かのメモを取り続けている。
遅いね、もう今日は来ないんじゃないかな。私が話しかけても祖父が軽くうなづくだけで、何の答えも帰ってこない。
蝋燭も短くなってきて、燃え尽きたらまた新しいのを点けなければならない。あと何本あったかなと頭の中で計算してみる。今晩中は持ちそうだ。
やがて屋根を打つ雨粒の音が大きくなってきた。
この天気じゃやっぱり来ないよ。もう寝よう。私が提案すると、母は時計を見上げて大きく溜息をついた。そうね、あきらめましょうと机の上を片付け始めたとき、玄関の扉が開けられる音が聞こえた。
現われたのは隣町に住む伯父だった。
「いやあ、遅くなっちゃった。すごい雨」
ズボンに染み込んだ雨を手で払う仕草をしてみるものの、当然ズボンは濡れたままだ。
「わざわざありがとうございます」
ほっとしたように母は言う。伯父は上着の内ポケットから封筒を取り出し、母に渡す。母はその封筒を妹に渡し、妹はその中身を確かめる。
「しかしYさん(母の名)も大変だったね。とりあえず線香上げさせて」
そう言って伯父は仏壇の前に座った。鉦を一つ鳴らし、手を合わせ、うなだれる。ずっと無言だった祖父が、その様子を見て何か一言発したけれど、その言葉は誰の耳にも届いていない。

***インターミッション、記憶の狭間***

時計の針は午前六時を過ぎた。
一晩待ったものの、来たのは伯父一人だけだった。
まだ今日も明日もあるし、とりあえず二、三時間でもいいから休もうよ。体に悪いよ。何度も説得して、ようやく母も横になろうという気になってくれたようだ。
母は立ち上がり、でもその前に、ちょっと外の様子を見てくると言って、玄関に向かった。
さっきまで降っていた雨は上がったようだ。
玄関の扉を開けるなり、母は感嘆の声を上げた。
「ちょっとちょっと、来て来て。虹! 虹!」
妹と一緒に駆け寄ってみると、中天にまんまるい虹が浮かんでいた。右手に見える五階建てのビルを、そのまま90度移動して虹に重ねたとするならば、ビルが仏像になり、虹が後光になるというような恰好だ。
水色の空をよくよく眺めてみると、円い虹の外側にもう一つ大きな円を描く虹が見えた。
これは写真に収めなきゃ。そう思った私は急いで部屋に引き返した。机の上にあったデジカメを手に取り、すぐさま外に取って返した。
私は夢中で写真を撮った。妹も自分のカメラで何枚か写真を撮った。
そのとき、私も母も妹も気付いていなかったのだけれど、部屋の中にいた祖父はやさしい笑顔を湛えていた。
今年は祖父の七回忌だ。

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